従業員の士気をあげるためにできる取り組み

近年、日本全体は好況もあってか人手不足の傾向があります。人手不足というものはなかなかに厄介で、業務は問題なく回っているように見えて、実のところ現場の努力によって成し遂げられていた、ということは珍しくありません。それにも関わらず「業務は回っているから」と新しい人材を採用しないと現場が疲弊し、今まで努力していた社員を失うということにもなりかねません。
とはいえ、人手不足なのは分かっているけれども新しく人材を採用できるほど余裕があるわけではない、という業績である場合もあるでしょう。そのような場合には既存従業員の士気を上げてさらなる増収を望むほかありません。
では実際にどのような取り組みをすれば従業員の士気を上げることができるのでしょうか。取り組みを確認してみましょう。
1.給与の増額
もっとも手っ取り早い手段は、月々の給与を増額することです。そうすることで今までの苦労が報われたと感じる従業員も少なくありません。とはいえ、生半可な増額では税金などを徴収された結果の手取り金額は変わらないどころかむしろ減少したということになりかねません。手取り金額が上がるような大幅な増額ができなければ行わないほうがよいでしょう。
2.賞与の設定
決められた月におおむね2~3か月分の給与が支給されるボーナスは、従業員のやる気に直結するといっても過言ではないでしょう。支給されたボーナスを元手に高額な買い物をする従業員もいます。賞与が設定されることで年収が大幅にアップするため、給与の増額にもつながる面があります。
ボーナスの使い道は、人によってそれぞれです。とはいえ、ある程度傾向があります。20代など比較的若い世代であれば自動車ローンの頭金にしたり、いずれ建てるマイホームの資金にしたりします。独身の従業員であれば自分の趣味に使うこともあります。また、社会人になって初めてのボーナスでは、自分を育ててくれた両親に感謝の気持ちを伝えるためにプレゼントを購入する人もいます。30代になると家庭を持っている人も増えるため、20代ほど気楽にボーナスを使うことはありません。マイホーム購入資金にしたり、子どもがいる場合は子どもの教育資金にしたりと、多彩です。
3.福利厚生の見直し

全従業員に金銭的なプラスを与えられるほどの余裕がない場合は、福利厚生を見直しましょう。多少賃金が低くとも、福利厚生が充実していれば実質的な給与は高いと考える従業員も少なくありません。
世間ではさまざまなユニークな福利厚生も増えていますが、ここはしっかり足元を固め、無難で堅実、どのような属性の従業員であっても喜ぶような福利厚生を導入しましょう。
無難なものであれば、休暇に関わる福利厚生です。現在、仕事とプライベートを両立できるような、ライフワークバランスが求められています。そのため、通常の休みとは別に、特別休暇を取得できるものが良いでしょう。例えば、自分の誕生日にお休みがもらえる制度で、誕生日を仕事ではなく、自分のために楽しく過ごすことができます。また、勤続年数が長い従業員への長期休暇というものもあります。社会人になると、長期休暇はなかなか取れないので、喜ばれます。
おすすめは社宅制度の導入です。近年は一般賃貸物件を会社が借り上げる、借り上げ社宅が一般的です。従来の会社所有型社宅と比べると自由度があるため、プライベートの時間を確保したいと考える若い世代にもマッチしています。正しい運用を行うことで税金対策にもなり、経営上にもメリットがあります。
注意点は、正しい運用方法をし続けるためには税法などを熟知する必要があり、難しい点です。可能であればこちらのような社宅代行サービスを用いてフルアウトソーシングをしましょう。
従業員の士気を高めるためにはさまざまな工夫ができます。会社によってできることはさまざまではあると思いますが、重要なことは従業員の立場に立つことです。制度などを作るだけで満足し、実態が伴わないということにならないよう、あらかじめ有志の従業員から意見を募るなど、空回りしないように気を付けましょう。
更新:2022/2/22